2008年7月8日火曜日

タンザニア旅行: 全体感想 + 旅のデータ

全体としての感想
やはり健康、治安に気を使わなければならないのは大変である。
だましてこようとする人もいるので、もの相場やものの仕組み(空港でのビザ取得や必要予防接種の種類、港税の金額など)を調べないとつけこまれることがあるので、事前準備も大切になる。アフリカでは騙されてボラれるだけならまだよいが、へたすると身に危険が降りかかってくる場所でもある。いつどこに行ってはいけないのか、という情報も集める必要がある。
実際、夜に街を歩くことができないとかいうのは結構なストレスである。アフリカのナイトライフに期待していく人は少ないと思うが、一日の活動時間が確実に少なくなってしまうし、心の余裕も失われるのは確かである。

予防接種のアレンジも大変である。黄熱病の予防接種は日本では高価だしかなり前の予約が必要。マラリア等の予防方法も事前検討して虫除けや予防薬を必要に応じ、適切なものを準備していかなければならない。

アフリカのサファリはかけがえのない体験であるし、街の雰囲気も分かってよかった。しかしが、色々と苦労していく甲斐があるか、という意味では万人にはお勧めできない。アフリカの自然にこだわらなければ、アジアの熱帯雨林の散策でも十分に楽しい。
たいした物やサービスがない割りには物価も安くないし、街歩きも特に固有の楽しさはあるとは感じられなかった。田舎の部族の暮らしなどを見に行くのはきっとかけがえのない体験だろうが、私自身、アフリカは心情が変わるまでもう行かないような気がする。
(といいつつ、サハラと南アフリカのホオジロザメ見学にはちょっと心惹かれる)

アジア人 in Africa
アジア人旅行者はこのたびを通じてほとんど見なかった。
遠いところまで時間とお金をかけてわざわざ苦労の多い旅をしに行く人も多くないだろうから、当然だろう。アジア旅行の方が断然楽で楽しいと思った。
ちなみに香港で人に「タンザニアに行った」というと、それがアフリカにあることをまず説明する必要が生じる。その後、「トラが街中でも歩いているの?」とか聴いてきたりする。よほど興味がなさそうである。

タンザニアで道を歩いているとすぐに人に「ジャパニー!」とか「チナ(China)!」とか「Korean? Japanese?」とか、ほとんど意味もなく呼ばれたり聴かれたりする。
西欧人がそんなことを言われているところを聴いたことがないのはアジア人が少ないからだけか? 親しみをこめての挨拶いるのかもしれないが、なんとなく馬鹿にされている印象も受けてしまう。
彼らは例えばアジアに行って道行く人に「アフリカン!」とか言われまくって嬉しいのだろうか・・・。

あと、アフリカを旅する西欧人の中でも「日本=物価が超高い国」のイメージが流通していることを再認識。他のアジア諸国に比べて、以上に。
ユーロ圏の人たちはしばらくの 円とユーロの為替の変動なんて気に留めたことがないのかもしれない。それに、日本旅行を具体的に検討した人は少なく、イメージで語っている人が多いと思う。

旅のデータ
(タンザニアの日本語情報はあまりないので、宿情報など流しておく)
10 sh(タンザニアシリング) ≒ 1円

★は5段階、コストパフォーマンスで評価。コストパフォーマンスという意味では、全体的に、アジアの途上国の安宿に比べて同じ質でも値段は2倍高い印象。

アルーシャ Arusha の 宿 (安宿メイン)
KILIMANJARO Guest House ★★★
水周りは共同。汚くはないが、夜は一階が、朝は全棟が水が出なかった。お湯は蛇口からでるだけでシャワーは水のみ。部屋は値段は 10000 SH(値段はすべて1部屋2人) に見合う内容(他の宿
との相対評価で。絶対評価ならアジアの途上国の方がよい)。

FRAMINGO hotel ★★★★
(見ただけ)
KILIMANJARO Guest House の裏側、道1〜2本西にある
きれいそうだし、個別シャワーつき 20000SH と安かったが、あいにく満員だった。

ARUSHA centre inn ★★
休めのツアーにも使われ、人気のようだが窓口の人の態度が悪い。
雨季には一泊一部屋20$だが、乾季には35$だった。値段交渉しようとすると「私にその権限がない」と言う。立ち去ろうとするとすぐに25$に下がった。よくもそんなに簡単に嘘が言えるものだ。しかし、部屋を見せてもらうととても狭く、値段に見合っていなかったのでやっぱりやめるというと「GO AWAY」と言われた。客にならなかったとしてもそうい
う言葉遣いは嫌な気持ちになる。

??? ★★★

結局サファリ後に泊まったところは名前忘れ(役に立たない・・・)。ARUSHA Centre inn
のすぐ近くで2階がレストランのそれなりにきちんとしたホテル。40000sh で朝食付き。外国人料金があるが、それほど違わないし、交渉によって現地人料金くらいに下がった。
朝ご飯の時間の前に出発するというと、ランチボックスをあげると言ってくれた。実際にきたのは朝ご飯だったけれど、この国では「やっておく」が期待通りにされた体験が乏しかったので少し感動した。
お湯もまっとうに熱いし、布団もほかほか。ただし、蚊帳は壊れている&洗面所の水溜から水が流れない問題あり。

ザンジバル島 Zanzibar island
ストーンタウン Stone town

MANCH LODGE VUGA ★★★
宿は色々とまわったが、結構コストに見合っている宿は少なかった。結局、たまたま通りかかった (一泊 28$朝食つき)に泊まることに。ここは、温水機が壊れていてお湯が出
なかったが、宿の人も親切でバルコニーや中庭があって気持ちよかった。

HEAVEN INN ★★★ (見ただけ)
$25 朝ご飯付き。まずまずそう。

Riverman Inn ★★ (見ただけ)
$25。そこそこ便利な場所にあるが、暗くてちょっと陰惨な感じがした。

ヌングイ Nungui
Amaan Bungalows ★★★★

オーシャンビュー: 90$ (オフシーズンということもあり$75に割引された)
シチュエーションにしてはコストパフォーマンスはよいと思う。各種ツアー、ダイビングアレンジ可能。水周り共用で20$くらいの部屋もあり、若い人たちでにぎわっていた。

ダル・エス・サラーム
Safari Inn ★★★★
$30 清潔。従業員もフレンドリーでよい感じ。

持ち物:
バックパック
<写真>
デジタル一眼レフ(SONY α300 + メモリ 4GB+2GB+1GB + レンズ*2 17-50mm F2.8 &
100-300mm F4.5-5.6 + 充電器)
コンパクトデジカメ(Fuji F100Fd + メモリ8GB + マリンパック + 充電器)
コンセントプラグ+形状変換機(BF型)、ミニ三脚、レンズクリーナー
<服>
タオル、服(長ズボン*2、下着3日分、トレーナー、長袖シャツ、帽子、サングラス、ひも、洗剤
<海>
ビーチサンダル、水着 + ラッシュガード、水中眼鏡、ダイビングライセンスカード
<洗面 薬>
歯ブラシ、石鹸、日焼け止め、シャンプー、髭剃り、蚊取り線香、マラリア予防薬(ドキシサイクリン)、下痢止め、虫除け(DEET 19%)、虫刺され(風油精)
<便利>
暇つぶし本*n、ガイドブック*1、ヘッドライト、超ミニライト、ウェットティッシュ、WZERO3AdvancedES+充電器、腕時計(ダイブコンピュータ SUNTO MOSQUITO)、ミニリュック、携帯マクラ
<貴重品>
現金2200USD+α、クレジットカード(VISA)、HSBCバンクカード、パスポート、香港住民IDカード、証明写真*2、

持ってゆけばよかったもの
リップクリーム
防寒具
双眼鏡
消毒薬





2008年7月7日月曜日

タンザニア旅行: ザンジバル島〜帰国

6/27 続き
ザンジバルへ
フェリーは出発が遅れ、到着時には日暮れ。懸念されていたイエローカード(黄熱病予防接種の接種照明)の提示は求められなかった。よかった。
腰が痛いのもあり、宿に迎え(40$)を頼んでおいて正解だった。シートに横になって揺られること一時間以上、ようやく島の北端に位置するヌングイに到着。島の大きさが分かる。結構大きい。

ヌングイではリゾート地なので、安宿はやめてシービューの部屋に。部屋はシンプルであるが、海の上の低い崖から張り出したバルコニーからは海が間近に眺められ、背中の療養にはよさそうであった。

現地は赤道近いのになぜか気温はそれほど高くない。モンスーンの影響で絶え間なく強めの風が吹いており、長袖でちょうどよい。海は綺麗ながら、寒いためにリゾート気分が盛り上がらない(冬にエジプトのリゾート、ダハブで凍えたことを思い出す)。その日は宿付属のレストランでシーフード(さすがにおいしい)を食べて早々に眠ることに。楽しみだったダイビングはもうできそうにないが、回復具合ではスノーケリングくらいはと願いつつ。

6/28
スノーケル
翌朝は嬉しいことに背中の痛みはかなりましになっていた。これなら潜らないスノーケリングくらいはできそうだ、と申し込む。これは20$でランチ付き、ダイビングポイントとしても名高い北東の離れ小島 ムネンバ アトールまで
帆船で2時間近くかけてゆくというものだった。なんせモーターの力はあまり使わないので時間がかかる。1日掛かりのツアーながら、スノーケルの時間はたったの 30 分程度だった。これはそれほど楽しく
なかった(透明度は悪くなかったが、水深がそこそこあって魚や珊瑚が遠かったし、深い割に大物はいなかった)のと、なにより寒かったため、すぐにみんなあがってきてしまったためだ。ほとんど、クルーズツアーだった。

このツアーで島のビーチで食べたランチは、今回の旅のベストご飯だった。マグロ一本を銀紙で包み、ソースと炭火で焼いただけだが、そのソース(クミン+しょうが+にんにく+こしょう+塩+ライム)のうまいこと!絶対家で真似してやろうと誓ったのだった。

6/29 ストーンタウン(ザンジバルタウン)徘徊
次の日は、宿の前のビーチへ。
ザンジバル島のビーチはその美しさで有名であり、楽しみにしていた。白くてとても細かい砂が綺麗である。水については、この季節のヌングイは風は強く波もあるため、砂が舞って透明度は下がっていたが、もともとは綺麗そうである。世界的に見ても絵になるビーチの一つであるのは確かだと思った。
砂が舞っているところを避けて、地元猟師がカヌーで漁をしている沖まで泳いでみようと繰り出すが、大小のクラゲが多く漂っていて危険なのですぐにやめた。ダイビングも不能な今、ここでできることもあまりないので、ストーンタウンまで出ることにした。
街までは乗り合いバス(軽トラックの後ろにベンチがあるだけ)で 1.5 時間2000SH。かなりの人数が乗り込むので身動き不能でお尻が痛む。しかし、背中も道中、特に問題ないくらいに回復していた。幸い体臭のすごい人も少なかった。
街にでると、先ほどと打って変わって暑い。ここに来て海が恋しくなるほどに。そして、宿の客引き一人がずーっとつきまとってうざかった。この人は宿からコミッションをもらいたいようで、昼食挟んでの宿探しに1時間以上つけまわしてきた。色々冷たいことを言ったのになかなかの根性で、何か根気のいる系の仕事をきちんと持てればいい働きができるのではと思ってしまった。

ストーンタウンはまさに迷路で、道しるべもないのでガイドブックの地図があっても目的地に向かうのは困難を極める。ベネチアやイスラエル旧市街を彷彿とさせる。が、色々な店があるわけでも街並みが特に美しいわけでもなく、徘徊するのはさして面白くない。途中汚水が道を流れて異臭を発していたりということもあった。

ガイドブックの情報が古く、地図が詳細でなかったこともあり、宿探しにはすこぶる時間がかかった。ザンジバル島の宿は若干高い。一つの理由はこの島の自治政府が、宿泊客一人当たりに一律 5$の税を課しているから
だ。一律課金は安宿経営にはつらかろう。

荷物を置いて街を散歩。奴隷貿易の拠点だった場所や博物館(驚嘆の家 = HOUSE OF WONDER という名前が付いていたりするが大層なものではない)などをまわる。たいして面白くない。
ザンジバルは本土に比べると治安がよいとされているが、迷路のような暗い道を夜に動くのはあまり気持ちよくなかったので、暗くなる前に食事を終えて宿に戻る。宿では大きなヤモリが音を立てていた。

6/30 時間を潰しのツアー&帰国
飛行機の時刻は 16:20。それまで時間を潰す術がなかったので、スパイスツアーなるものに参加した(15$)。午前はスパイス&フルーツ畑を見学、午後はビーチに行ったりちょっと遠出、というツアー。時間の都合、前半のみ参加してランチ後に離脱してバスで宿に戻った。ツアー参加者には昨日街を徘徊している時に見かけた人も何人かおり、この街でのやることの少なさを物語っていた(?)

こしょうは枝もスパイシーだとか、バニラの身は枯れないと色が出ないとか、色々なことを体験できて、スパイス畑見学はなかなか面白かった。集落によって食べた現地のランチも大変おいしかった。

町中心部から空港までは15分 9$。
エチオピア航空のカウンタは屋外にあり、航空券も手書き。待合室も暑いしと、設備は悪いのに、空港使用料は 30$と、殿様商売だった。

帰りは
ザンジバル → ダルエスサラーム 20分 + 1時間機内待ち
→ アディス・アベバ(エチオピア) 3時間 + 4時間空港待ち
→ バンコク 8.5時間 + 1時間機内待ち
→ 香港 3時間

というまた24時間コースであったが、よくなってきた腰痛の悪化が心配されたので、ビジネスクラスへのアップグレードの値段を聞いてみた。すると、300 $と意外に安いので、あげてもらうことに(なぜ
かクレジットカードは 350$ 引かれていたが)。
まあ、300$ が安いかというとそうではないが、健康には換えられない。それに、空港でのラウンジ生活をあわせて、17時間3食ビジネス扱いで過ごすことができたのは非常に快適で、価値は十分にあったと思った。機体が古いのでオンデマンドビデオが見られたりとかフラットシート装備とかではなかったけれど、それでも疲れもあまりないまま香港に戻り、時差ボケもあまりなかった。

香港の都会が懐かしい。
安心しすぎて、エアポートバスに財布を置き忘れるという失態を犯すも、現金も抜かれずに保管されていた。治安のよい国万歳!

※ 実は出かけ際に燃えるごみ+生ごみを捨て忘れるという失態も犯しており、香港の湿度と温度で家中が青くなっている夢に悩まされたが、家に帰ってみると何事もなく、においすら感じないほどだった。時間がたちすぎたのがよかったのか?!

2008年7月5日土曜日

タンザニア旅行: Dar Es Salaam + 健康問題

※ 10sh ≒ 1円

健康問題勃発!
サファリの二日目の夜から体のだるさが進行して、頭痛とともに熱が出た。これでテント生活はこたえる。黄熱病の予防接種を受けてすぐから感じただるさと連続していたので、おそらくその副作用である。これでは黄熱病が予防できたとしても、もっとメジャーな感染症に対する抵抗力が激減である。直前でも予防接種を受けろという医師の提案は完全に間違っていたと思う。
その熱は5日目にだいたいおさまったが、その次は背中の筋肉痛がひどくなってくる。特に筋肉に負担がかかる生活ではなかったので内部的な問題と思われる。黄熱病ワクチンかマラリア予防薬の副作用か新たな病気かはたまた合わせ技か。

次の日にはかがむことさえできなくなってしまった。しかし旅は続けなければならない。予定通り(実質の)首都 Dar Es Salaam へ向う。

6/26 ダル・エス・サラームへ
旅行会社から信頼できると勧めのあったバス会社 DAR EXPRESS でダル・エス・サラームへ。旅行会社がチケットの予約をミスってしまったので、二番バスを捕まえに朝早くにオフィス兼発着所に直接行く。初日の宿の人は、その場所が街から10-20km あるといっていたが、タクシーで行くと、実際は徒歩 10分ないくらいの距離だった。出発一時間前につき、バスの席は簡単にとれる。 20000sh。

バスはそれなりに広くて汚くない。最初のうちは前の人の体臭に悩まされた(タンザニアには体臭のすごい人が多い。その影響範囲は半径数メートルに及び、日本では体験できないレベルである)が、すぐに降りてくれて助かる。高速。途中荒れ地で野トイレをしたりドライブインでごはん(15分くらいで皆高速で食べてくる。ごはんとおかずの盛り合わせは6品くらいあってどれもおいしい。4000SH)。

空路ばかり使う&首都を飛ばす と国の雰囲気が分からないので、ザンジバルまではあえて陸海路で首都経由とした。空路20分がバス9時間半+高速フェリー2時間になるし、コストもさしては変わらない。アルーシャからダル・エス・サラームへの道はそれなりに整備されていて車は少なく、コンスタントに80kmは出していただろうか。
しかし、バスの道中はきわめて単調。トウモロコシを中心とした畑と草原、植生もほとんど変わらずほとほと飽きてしまった。そして、腰の痛みが徐々に進行していった。

入国審査官との長い闘い
バスは市内から結構離れたターミナルに到着する。ここにはゲートがあって、全員そこをくぐってでていかなければならない。私たちがバスを降りるとタクシードライバーと入国審査官と言う者がが寄ってくる。前者はすぐ追い払ったが後者は追い払えない。服装はカジュアルだし、ゲートがあるのにつけまわしてくるのが実に信用できない。が、証明手帳らしきものを持っており、パスポートを見せろと言う。
怪しすぎるので、信用できぬとあしらうも腕をつかんできたりかなり強引。ゲートの人も「そいつは本物だから従え」と言う。本物の審査官といえど信用ならないのがこういう国の常。しかし、この人をなんとかしなければゲートもくぐれない。しょうがなくパスポートを見せる。するとビザのページを開いて、「50USD PAIDと書いてあるが領収書は?」と聞いてくる。
そらきた。領収書なんてもらっていない。難癖つけてお金をまた巻き上げるつもりなんだろう。我々は「そんなのはない。空港か大使館に電話して確認させろ」とつっかかる。「では、我々のオフィスで電話しろ」と。彼はことあるごとにオフィスに来いという。が、いったら終わり、仲間がいて現金チェックでくすねられるか難癖付けて賄賂を要求するかなどである。妻はボリビアで同じ目に遭っていた。最悪のケースでは、彼らは審査官ではなく、強盗沙汰になる。
我々は、携帯電話を使わせろとか行くなら他の外国人(これがまた全然いない)と一緒にいかせろとか、抵抗に抵抗を重ねた。彼も「これ以上抵抗すると力に訴えることになるぞ」とか、「仲間を呼ぶぞ」とか「逮捕するぞ」とか散々に脅してきて、もう一度パスポートを見せることを拒めなくなってしまった。
が、次のチェックで意外やすんなりOKが出た。領収書が必要じゃなかったのかよ、と思いつつ安堵。抵抗が長かったので、次のカモを見つける方が楽だと思ってくれたのだろう。しかし、長い戦いですっかり疲労してしまった。

市内までは、ダラダラ(ミニバンのバス)に乗るかタクシーか。バスの運転手に市内までタクシーで 4000SHと聞いていたが、彼らの言い値は10000SH。5000SHまで下がるのは白
タクだけだが乗るのは怖い。荷物盗難が怖いながらバス停に行ったら、一見して優しい感じの青年がいたのでどのバスに乗るべきか訪ねてみる。すると市内行きはちょっと離れた場所から出ているとのこと。彼は「ツアーの迎えで人を待っているんだけどしょうがないや」とその場所まで着いてきてくれるという。
彼と歩いていると、またタクシーの勧誘。5000SH。車には一応ライセンスシールが張ってある。青年にこの人信頼できるの?と聞くとYESだったので乗ることにした。渋滞に巻き込まれながら無事目的地に。6000SH 要求されるが、5000SH
置いてでる。しかし、目的だった宿はフル。周囲も満員だったりつぶれていたり。
ここに来て私の背中の痛みは加速して、ただ歩くのもつらくなっており、荷物をすべて妻に持ってもらうことに。ほとんどぎっくり腰状態に移行して、歩くだけでうっとくる。
このままでは旅の活動はほとんど不可能であるどころか、原因も分からないので、どのくらい続くのかも分からない。病院は信用できないし、血液検査ともなればエイズを初めとした感染症が心配。これまでの旅の中で最大の健康系ピンチである。

結局、またタクシーに乗って違う宿に。タクシーに乗り込むのすらつらい背中の痛み。が、そこも満員。紹介してもらった近所の宿の最後の一部屋に転がり込んだ。私はもう安静にする以外できなかったので夜の怖い中、現金引き出しやごはんのテイクアウトを妻にお願いする。
ここの宿はほとんど唯一蚊帳がなかったが、部屋には蚊が見あたらずに快適に眠りについた。エアコンとファンが着きの部屋だったが不要な涼しさだった。

6/27 ザンジバルへ
背中の痛みは多少は回復したものの、心配なので、こういう症状の病気がないかを確認するため、日本大使館に電話をしてみた。すると、医務課の人が相談に乗ってくれた。「感染症などでは腰がピンポイントであったり他の症状が特になかったり(熱は黄熱病ワクチンの副作用と思うとのこと)ということはほぼないので、大丈夫だろう。ローカルの病院は腰痛ではレントゲンすらとらないので、安静にして帰国後に必要に応じて病院に行くのがよいだろう」というアドバイスをもらって、すこし安心。それに従うことにして、ザンジバル島でゆっくりすることにした。フェリーのチケットも宿同様、意外と人気で、16時のがやっと取れる。35USDで2時間程度。午前は腰の様子をみつつ街を歩き、午後は宿で安静にした。街は特に心動かされるものなし。スーパーでは中国製のものも多く、ならではというものもなくつまらない。

2008年7月4日金曜日

タンザニア旅行: サファリ

6/21-25
サファリの参加者は40過ぎくらいのスイス人カップルと私達の4人のゲスト+ガイド(アンドリュー)とコック(ザカリヤ)の6人。スイス人男子が私の勤めている会社のロゴの入ったリュックを持っていたので聴いてみると、元社員ということで、若干親しみ度アップ。

4泊5日でマニヤラ湖、セレゲンティ、ンゴロゴロの3つの公園をまわる。有名なのはセレゲンティだが、どれも皆それぞれに魅力があって甲乙がつけがたかった。

1. マニヤラ湖
もっとも街に近い。
湖と森と草原が狭い場所に入り混じっているため、生物種が多様。生物の密度も高く、見つけるのも容易。
ここではたくさんの象を(鼻息を感じるくらいに)間近で見ることができてよかった。
さすが、ボルネオで見たピグミーエレファントよりずっと大きい。


見たもの(ぱっと思い出せる範囲)
ヒヒ
ブルーモンキー
サバンナモンキーサル

フラミンゴ

インパラ
キリン
イボイノシシ
シマウマ
カバ
ヌー
ライオン
バッファロー
ティクティク
ベルベットモンキー
白毛モンキー
ペリカン
アフリカンイーグル
ダチョウ
ディクディク


2. セレゲンティ国立公園

「セレゲンティ」は現地の言葉で「果てしない平原」を意味するが、まさに。地平線のかなたまで平原。 なにせ東京+埼玉+神奈川+千葉をあわせたくらいの広さがある。

<雨季と乾季>
6月下旬は雨季から乾季に切り替わったところ。雨季にここに草を食べに来ていた無数のヌーとシマウマの大移動がこの切り替わり時に行われる。それは壮観らしくこの公園の醍醐味で、楽しみにしていたのだが、その移動はつい数週間前にほぼ終わってしまったようである。
残念ながら、それらの動物の数は既に少なかった。


その代わりとして、乾季のため草は枯れて見通しはよく、ライオン等は見つけやすかったと思う(比較したわけではないので印象の話で)。ライオンの狩シーン(失敗)も一応見ることができた。
あと、湿度がないため、シャワーのないキャンプでも苦痛ではなかったし、蚊もいなかったのはよい点だった。何せ病気が怖い。

見たもの
インパラ
ディクディク
ガゼル
トムソンガゼル
ブッシュバック
ウォーターバック
イボイノシシ
カバ
ライオン

ダチョウ
ワイルドドッグ
サバンナモンキー
ハイラックス
マングース
チーター
シマウマ
バッファロー群れ

キリン
シマウマ
ヌー
鳥いろいろ


3. ンゴロゴロ自然保護区
ここは太古にできたクレーター。この風景だけでも一見の価値がある。
クレーターからの動物の出入りはほとんどないため、いる動物が確約されていて、見つけるのが容易。ヌー(英語名は wild beast というやる気のないもの)やシマウマもそれなりの数
がいた。
ここの売りは絶滅が危惧されて希少なサイ(この公園内に15匹いるそうな)。すごく遠くにいるサイでもみんなで追いまくる。 それなりの距離で我々も見ることができた。


この区域はクレーターの上で 2300mくらいの高所にあるので寒く、10℃にまで下がる。特にキャンプは防寒具を準備してこないという失態をおかしたので、ロッジに泊まるスイス人から服を借りることに。さらに彼らの分の寝袋も使って快適。かなり助けられた。キャンプサイトには象がすぐそばまでやってきたりとワイルド。
そして、デジカメ等の充電のため、限られた電源が奪い合われていた。

みたもの

シマウマ、ヌー、フラミンゴの群
クロサイ

ハイエナの食事
ジャッカル
などなど



<全体として>
a) テント生活
キャンプを4泊連続というのはやはり若干疲れる。自然の中で生活するのは気持ちよいとはいえ、中1日くらいロッジ泊をしてもよかったかも。

ご飯はなかなかおいしかった。我々のコックはもともとホテルのコック(その経歴で彼はサファリコック仲間で有名人らしい)で、若干しょっぱいながら、保存食をうまく使って食事を楽しませてくれた。最後のほう、パンにカビらしきものも見えたがしょうがない。
虫がスープに飛び込んできたりフルーツに蜂がたかったりというのもならでは。

b) 同行者
5日もずっと一緒にいるので、同行者がどのような人かは重要。

このカップルは素朴な感じで、好感が持てるのだが、女性の方は動物に対して注目させるための声を出すのを抑えきれないらしく、動物にストレスを与えたり、逃げさせてしまったりして残念だった。何度か注意されていたけれどやっぱり自然に出てしまうらしい。
また、ランチから餌をやったり人に慣れたハイラックスに触ろうとしたり(噛まれたら狂犬病コース)、自由奔放さがちょっとすぎていた。

あと、ツアー後の彼のツアー会社への激怒事件があって、後味悪かった。

c) ガイド

ガイド兼ドライバーは旅がどうなるかに重要な要素である。
私達が当たったガイドはちょっとはずれだったと思う。

問題1 ガイド量が少ない

公園のこと、動物のことについてほとんど情報をくれず、こちらからの質問に簡単に答えるのみ。公園での注意事項などの説明も満足になく、ガイドとして客を楽しませようとか、国や動物について深く知ってもらおうという精神にかけていた。

一度覚えればいい話なのだから、私がガイドなら色々なことを覚えて、これでもかというほど説明したいと思うのだが、7年もやっていると飽きてしまうのか、それとも情熱を失ったのか。

私が熱出していると言っても、「ふーん」的に流しその後なんのケアもないし、最後までたった4人のゲストの名前も覚えなかった。全体的にやる気なしに感じられる。

問題2 動物を見つけない

現地の人の抜群の視力と経験で動物をざくざく見つけてくれることを期待していたがそんなこともなく、だいたいは私たちで見つけた。

問題3 すぐ消える

サファリの後など、すぐにどこかに消えてしまってどこにいるか分からず、あてにできない。スイス人レポートによると、彼に夜にあったらビール臭かったという。どこかキャンプサイトの外でローカルの人と飲みに行っていたのかもしれない。
まあ、朝から晩まで拘束というのもつらいだろうが、夜に何かあったらどうすればよいのかくらいは伝えてから消えて欲しかった。
一度は次の日の朝の集合時間など伝えもせず消えてしまったし・・・。

問題4 説明不足&手際の悪さ

セレゲンティで給油のためにと、ビジターセンターに向った。着いたのはその日の朝に一度行った場所。朝に我々が各自でウォーキングしている間に給油しておいてくれれば・・・という話もあるのだが、問題はここから。
ここで彼は「ビッグプロブレム! 10分」とだけ言い残して、車ごと消えてしまったのだ。
当然10分では帰ってこないので、どんな問題?!と不安の中で待つ。
「ここの給油所が壊れてしまったので XX まで給油してくる」というような説明をすべきだったが、事後にもそれはなかった。

他にも理由が不明のまま待たされるシーンは山のようにあった。どうも、待たせることに関する意識が我々と違うようである。
文化によってその意識が違うのは理解するが、そういう人たちにサービスを提供するのだから、その辺は理解してもらいたい。

d) トラブル
二日目の朝、ガイドが私たちを集めて話をする。
「人生でこんなにひどいことは一度もなかった」と仰々しいので、とんでもない天変地異でもあったのかと思うと・・・ガイドが財布を盗まれたのだった(最終日に見つかる。落としたっぽい)。

700USD、公園の入場料などがそこに入っていたというので、入場料の立て替えをして欲しいということ(1公園一人 50 USDと結構な値段)。現金を持っていたので、もちろん了解する。
立て替えるのはよいのだが、残念だったのは、それによってガイドが目に見えて落ち込み気分をガイド業に引きずったことだった。そこはプロとして気分を切り替えて欲しかった。お金は取り戻せるだろうが、私達のサファリに二度目はない。

彼は「帰ったら必ずすぐに返すから」と繰り返していた。

それにも関連して、帰りに大きな問題が起こった。
街の帰り道、おみやげ物屋のたまっている場所で「ちょっと警察に行かないといけないので20分待って」と言われ、我々は車から出て待つことにした。
しかしながら、一時間を過ぎても戻らない。外は暑いし、地元人がちょっかいを出してくるし、このままでは帰りは暗くなってしまうしで困った。こんなことならあと1時間はサファリをしていたかった。最終日は朝の出発も内因で遅れてンゴロゴロは3時間ちょっとしかサファリをできていなかったのだから。

困り果て、ツアー会社に電話をかけて(地元の人に電話を借りようとするとローカルコールなのに「5USD」とか言われたりしつつ)、すぐに状況を把握してコールバックするようにお願いした。

すると、そのすぐ後に車が戻ってきた。
たまたま戻ってくる前に電話をしたのかもしれないが、タイミングがよすぎたために、「実はいつでも出ることができる場所にいたのでは?」という疑念が沸いてくる。
更に我々の神経を刺激することに、彼は綺麗なシャツに着替えていた(彼はなぜかツアー会社のオフィスにいるときだけはネクタイ+シャツをつける)。
たいした説明もなく、「"ちょっと"遅くなってごめん」くらいのことしか言わなかったので、我々の不愉快ゲージは一層高まったのだった(更にスイス人たちは前日のロッジの手配に問題があって高まっていた)。

ツアー会社のオフィスに戻ると「どうだったか」と聴かれるので、今日起こった問題について我々は話をした。その対応によってはその場は収まったのだろうが、責任者は「たとえお客様が間違っていたとしても、私達が悪いのです」と、そのツアー会社の理念を間違ったシチュエーションで解説したりしてし、不愉快ゲージは高まり続け、ついに爆発ポイントに達した。
それは、立て替えていたお金が返ってくる気配がないので「お金を返して欲しいのだが」と我々が切り出したのに彼が「いくら?」と応えたところだった。

お金を借りて、何度も「オフィスに着いたらすぐに返す。問題ない」と言っておきながら、向こうから自発的に帰ってこなかったのみならず(同一会社の他のツアーとキャンプ場などで散々あっていたのだから、その時にも立替はできたはず)、把握もされていなかったのだ。
これは我々もがっかりだったが、スイス人の男性はまじ切れして、「200$ each だよ!」と4倍の金額を言った。

それに対して、彼にのみ 200$が支払われるという対応がなぜだかとられた。当然彼は「ガイドから何も説明聞いていないのか?本当は各50$だよ!」と言うのかと思ったら、OK、とそのまま受け取って納得している。

それはいくらなんでもまずいのでは?と思い「100$ずつ分けよう」と言うと「自分でもらえ」と。しかし、スイス人の女性の方も我々側についたので、結局分けることに。
彼は納得がいかず、ツアー会社の人に
「貸したお金をそのまま返してもらっても納得しない。我々はスイス人だから利息が必要だ。我々は銀行だ。150$よこせ」とまくしたてる。怒るポイントがずれているし、ちょっと困った人になっていた。

ツアー会社の人は奥に一度引っ込んで相談ののち、彼に150$を支払った。
そして、責任者からの謝罪と粗品をもらう。
大変に後味が悪い。

色々とあったのでガイドにはチップをあげたくない気分になっていたが(相場は1日10-15$/group)、彼らの生活もあるだろうから、少なめにあげることにした。

彼の本当の怒りの理由は多分伝わっていないので、他の点とあわせて、ツアー会社にガイド改善のための提案のメールでも送ろうと考えている。

e) ツアー会社

悪徳会社も多数あるということで、口コミを色々と見つつ、それほど高くないところを探した。
Good Earth http://www.goodearthtours.com/
SHIDOLYA TOURS & SAFARIS LTD. http://www.shidolya-safaris.com/
この辺がよさそうだったが、前者は「二人で参加する場合はツアー全体の人数に関わらず二人で車をチャージした際の金額」を払わなければらなく、それが大きいのでやめた。

後者の Shidolya は、口コミで成長した会社と言っており、行った人の推薦もあったのだが、上述のように、ガイドの教育が徹底していないことがあるようで残念だった。まあ、クレームに対してはそれなりに真摯な姿勢を見せたのは、この国としてはきちんとしているほうだと思う。
しかし、他の会社も似たようなものとすると、いい会社を知るだけでなく、どのガイドがよいのか、まで調べて指名したほうが確実だったのだろう。

この会社には他にも不満があった。
バスの予約を「朝6時、なければ一番早いもの」とお願いしていたのに、「朝6時はフルだったから何も取らなかった」と。
乗る前日にしか予約できないので、それなりの時間に予約をしようとしていればできたはずだし、次の時間のバスを取ってくれなかったしでがっかり。できないならできないで代案を考えたのに・・・。

翌日、バス会社に直接自分たちで行った際に当日の予約表をのぞいたら、6時のバスは空席があったのでさらにがっかり。ただ忘れたのを言い訳したのだろう。

f) チップについて

サファリではガイドとコックへ、結構な額(おそらく固定利益額の半分以上)のチップを払うのが慣例になっているが、この制度はサファリにはなじまないと考えた。

レストランならば「サービスが悪いから次はこないしチップも少なくする」で済むがだろうが、5日もかけるようなサファリは、ほとんどの人が人生で一度の、やりなおしのない体験である。ガイドの質が悪くて残念、だけでは済まない。

ツアー会社はサファリにおいて、チップを乗せたお金を取ってでも、ガイドの質を保証すべきである。ガイドによって質に大きな差がでないような教育をして(客からフィードバックをもらうようにすれば簡単なはず)、+αの部分だけでチップを取るようにしたほうがよいと感じた。

g) 全体感想
ヒョウを見ることができなかったのは少し残念だが、色々な動物を思った以上に間近で見ることができて、楽しかった。
色々とオペレーション上の問題はあってストレスもあったけれど、それを補って満足させるパワーがサバンナにはあった。
子供時代に来ていたらもっと興奮していただろうなあ・・・。

期間として、5日はちょうどよかった。食傷が始まりかかった頃に終了。

今回行ったどの公園も結構な台数の4WD が走り回っており、スケールがまったく違うながら、準サファリパーク的様相であった。ライオン等の人気動物の周りにはすごい数の車が取り巻いていたり、これは彼らにとってストレスに違いない。自分は動物を間近に見たいのは見たいけれど、たくさんの人が見に来るのは嫌だという自分勝手な気持ちになる。

また、人類も動物の一種に過ぎず、昔はこのサバンナで肉食動物におびえていただろうに、今やライオンを興味本位で追い回している。その行為が彼らの尊厳を冒しているように感じられるし(そもそもの有史以来の自然破壊を考えるとこんなものは屁でもないだろうが)、人間はどこまでも特殊な動物になってしまったのだということを実感させられた。

せめて、公園の入場料を尋常でなくあげ、騒音の少ない電気自動車を入り口で義務で借りなければならなくするなどして、騒音対策と、サファリを本当に好きな人以外は興味本位でできないようにするような措置を取ることで、少しでも彼らに対して敬意を表するようにしたほうがよいのではと、勝手なことを考えたりした。

2008年7月3日木曜日

タンザニア旅行: 往路

エチオピア航空での長旅が始まった。
機体は若干古く、個別テレビなどはないが、そこそこ座席間は広く作られていてよかった。

香港からまずはバンコクまで3時間弱。そこで乗降があって1時間ほど滞在。ダブルブッキングされていた人が先に座っていた人と乗務員と似にFワードを30回くらい連発して切れていたり(席はたくさん空いていたので、近所に移っただけで解決したのだが)。隣の席が空いていたので横になっていた人が、離陸するので一度自分の席に座れと言われても拒否して、乗務員が何人も集まってなんだか大変なことになっていたりと騒々しい。乗客には目があっただけで手を振ってくる人もいたりして、文化の違いを既に感じる。
食事が乗り継ぐ度に出てきてかなりお腹いっぱい。ここでマラリアの予防薬も飲み始める。

そこからエチオピアの首都まで8時間。霧で周囲はなにも見えないが田舎の雰囲気。乗り継ぎで5時間待ち。ベンチで寝たり DUTY FREE(懐かしのカセットデッキなどが売っていた)を冷や
かしたりして時間を潰し、ナイロビへ。エチオピアではまだ空港内のエスカレーターが珍しいものなので、乗降に戸惑っている人がいたりする。ナイロビでまた乗降があってようやく目的地のキリマンジャロ空港へ。飛行機からキリマンジャロもよく見えた。サファリをアレンジしてもらう旅行会社に迎えに来てもらって(30USD。最初は 50USD提示だったが、交渉すればタクシーでも 〜25USDだよ、とネットで得た情報を伝えたらあっさり値下がりされた)、空港から50km離れたアルーシャに到着したのは家を出てから25時間後であった。
道中は色鮮やかな鳥やみたことのない木、頭の上にものを乗せて運ぶ人などアフリカらしい光景を楽しむ。

旅行会社で支払いを済ませて、宿に荷物を置いて散歩。
歩いていると人々にじろじろとみられる。そして、街の一大産業?サファリ等の勧誘が多いがそれほどしつこくはない。
エチオピア航空のオフィスを見つけたので帰りの飛行機の搭乗地をザンジバルから、に変えられないかだめもとで聞いてみる。
香港でチケットを買う際にはだめと言われたが、現地パワーに期待。
リルーティング不能の安いチケットだったのだが、オフィスのおばさん我々の期待に応えて「変更できますともここはタンザニアよ!」と彼女は閉店時間後もしばらくかけて一時間近くかけて変更してくれた。まあ、それだけ仕事がかかったのはもっぱら彼女の仕事が超遅い&ミスが多い、からなのだが感謝感激。違約金 75 USD取られたが、嬉しい変更ができた。

手続きが終わるともう暗くなってきたので、ご飯に。

オープンスペースで炭火焼きのバーベキューを食べた。色々とスパイシーなソースや薬味があっておいしかった。
19時過ぎ。暗くなった後は出歩かない方がよいというアドバイスを受けていたのでおとなしく帰宅。
ひさびさにベッドで寝る感じである。安宿は一階は水が出ないしお湯もでが悪かった。部屋の蚊を何匹か殺し、蚊帳に入り、蚊取り線香を炊きまくって夜20時に就寝。
朝早く、モスクからの祈りの声で目が覚めるまでぐっすり。
長旅の疲れが優先されて時差もなにも分からないような感じだった。
そして、黄熱病の予防接種の副作用で若干身体がだるいのが続いていた。

明日からいよいよサファリ。楽しみ!

タンザニア旅行:準備編

妻が香港で長期休暇を取れる最後のチャンス。旅行に行くしかない。

目的地はとても行きたかったAfrican アフリカ。体力があるうちに行っておかねば。
サファリ&美しいビーチ天国のタンザニア。
旅程は6/19-7/1

Air チケットを買ったのは出発一ヶ月ほど前。
ケニア航空が 香港→ケニアの直行便を持ち、かつ再安なのだが、売り切れていたのでしょうがなくエチオピア航空を取る。


これが、香港からだと日本からよりずっと早くいけるという期待を裏切る乗り継ぎで
香港→バンコク→エチオピア(5時間待ち)→ケニア→タンザニア
家から最初の目的の街、アルーシャまでは24時間超の旅路である。

ちなみに費用は全込み8700HKD。日本からより少しは安いだろうか。
(1HKD≒13.8円)

6/17(火)
アフリカ各国ではビザの取得方法、予防接種の義務の有無が流動的。

ネットで探した情報では
・ ビザは空港で取得可能
・ 黄熱病の予防接種照明は不要


とあったので、USD の現金を作っておく以外に何も対策をしていなかった。
が、出発二日前になってなんなのだが念のため香港のタンザニア大使館的なところに電話をしてみた。
しかし、その人は「ビザの事前取得が必要で黄熱病予防接種照明がないとビザが取れない」とのこと。

本当か?と問い詰めると、「実はよく知らない」と言われた。
タンザニアという国の存在を知らない人が多い香港なので、旅行に行く人も少ないのだろうが、一番問い合わせが来そうな情報を知らないなんてなんとも役割を果たしていない・・・。

なので、確かな情報は誰が知っているのか尋ねて紹介された病院?に電話をしてみる。
そこからの情報では「黄熱病の予防接種が必要」。費用は 1000HKD(実際は200HKDだった)マラリア予防薬も接種時に買えるというので、診察の予約をした。
薬は、100-1700HKD(実際は 100-1030HKDだった)で、医師と相談の上タイプを決めろとのこと。

とはいえ、出国前日に予防接種を受けていても 10日間は有効にならないのでもう入国には間に合わない。

確認しようと日本のタンザニア大使館に電話をしてみた。
すると、やはり
・ ビザは(国際)空港で取得可能
・ 黄熱病の予防接種照明は不要

(香港発、エチオピアトランジットでも大丈夫)

現地空港でもめたくないので、文章(メール)でその返信をもらった。

6/18(水)

病院: Travel Health Service, Department of Health
Sham Shui Po 1/F. Cheung Sha Wan
Government Offices, 303 Cheung Sha Wan Road,
Sham Shui Po, Kowloon. 2728 0781 9:00 am - 7:00 pm

で診察。
この日の予約は朝の1単位しか空いていなかったが、行くと患者は終始一人で混む様子なし。

お医者さんから色々と情報をもらった。

・ 黄熱病予防摂取

1. 入国に必須
2. 10日後に有効になるといっても接種したほうがよい

→ 5日目くらいには予防効果がではじめるため。なぜなら発症後の対処法はなく、5割くらい死ぬ。
→ お医者さんはブラジルで去年40人発症して半分死んだと脅したけれど、人口比を考えるととっても少なく感じる(ちなみにマラリアでは1年で世界で200万人死んでいる←これは適切な治療が受けられていないからだが)。

3. 費用は200HKD (診察料が315HKDで、通常医療の8倍ほど)
日本ではごく限られた場所で8000円〜の値段で受けられる

4. 5-10日目くらいに副作用がでるかも(熱や筋肉痛など)
→ ネットで調べたところ、死亡例もあるらしい
5. 24hアルコールは飲めない。他の行動制限はなし

お医者さんの情熱に負けて、結局、受けてしまった。
しかし、
a) 副作用がある
b) 到着後最初にやろうとしているサファリ(これが一番リスキーな地域)時はほとんど効果ない
c) 入国時に接種照明はまだ有効でない
d) 発症率それほど高くない

ことを考えると、蚊対策を頑張れば OK だったかなと思う。

やるならもっと早く受ければよかった。

・ マラリア予防

直前から飲み始めて有効なものは2種。

1 副作用の低いニュータイプの薬 Atovaquione+Proguanil hydrochloride
1030HKD
副作用発生率 3%
帰国後も7日飲む

2 伝統的薬 Doxycycline ドキシサイクリン
100HKD(41 tablets)
予防率95%
副作用の吐き気、下痢など 発生率10%。
出発1日前から帰国後4週間(!)まで飲み続ける。

値段が違いすぎるので後者にしておいた。

あと、DEET が20%-35% 含まれる虫除け(Insect Repellent)を常につけておくように、との指示。(ちなみに日本製品では最高で 12%。先日オーストラリアで購入したRID Tropical Strengthが19%だったのでこれで行くことに)
確認すべき化学成分つきのメモもくれた。アレルギーがある場合は服につけるタイプの
PermethrinEtofenprox を使えということ。それぞれどこで買えるかまで教えてくれてアレルギーテストもしてくれ、とても親切だった。

予防接種を受けて15分待つ。異常がないことを確認して終了。

妻は接種を受けなかったが、その後に日本の
外務省のページ見ると
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info4_S.asp?id=111
>黄熱病汚染国を経由してタンザニアに入国する場合、また本土を経由してザンジバル島に向かう場合には必要となります。

とある。
ザンジバル等は自治区で、パスポートコントロールがあるのだ。
これもタンザニア大使館に再度、確認を取る。やはり本土経由で島に入ってもイエローカードは不要との事。
ちょっと不安も残るので、大使館からまたメールをもらって、PDAに証拠として入れて運ぶことにした。


なんだかどたばたしてしまったが、やはりアフリカ旅行は大変。
各種伝染病の分布地域を見ながら日本は平和だなと実感したのであった。
(ちなみに香港は亜熱帯なので、デング熱とかもあるにはある)