2008年4月14日月曜日

アンダーグランドリバー フィリピン パラワン

香港帰国はダイビングクルーズ終了の当日帰国も可能だったのだが、減圧症リスク回避のため(自分のダイビングコンピューターは最終ダイビング後、27時間の飛行機搭乗を減圧症リスクと判定していた)と、せっかく来たのだし、もう来ない確率が高そうなパラワン島も味わってみたいと1日滞在することにしていた。

この島のもう一つの世界遺産である世界最長の地底川。このツアーの開始時刻は朝早いし、個人では時間が足りずに日帰りでは行けないと思っていたのであるが、クルーズに乗っていた人に聞くと、なんとかなるよというのでトライしてみることに。

港に到着後、とりあえず宿泊予定の宿に電話するとツアーは7:30からということでちょっと時間的に厳しい。でも、すぐに来るなら待ってくれるというので、大急ぎで荷物をパッキングして出てゆく。ほとんどの人に挨拶もできず、後ろ髪惹かれるところもあったが、しょうがない。

急いで宿に行くと、2分前に痺れを切らして出て行ったとの事。まあ、15分待つのはつらいだろうからしょうがないにしても、一応約束しもしたし色々と犠牲にしてきたのにとショック・・・これならもう少しゆっくりすればよかった。

しかし、すぐに宿の人に行き方と相場を聞いて個人で向かうことに。
※ 1ペソ=2.4円くらいでした。

1. トライシクルでバスターミナルへ(25分/60ペソ) → 実績: 20分/50ペソ
2. バス(ジプニー)でサバンへ (2.5時間/300ペソ) → 実績: 3時間/200ペソ
3. サバンからはノリでなんとかして

とのことであった。

ほとんどの人が英語をしゃべるので行くのは苦労しなかったが、バスがとても少なく、バス停についてから出発まで1.5時間待つはめになり、現地到着まで4時間。
減圧症リスクを考えると気圧の下がる高所には行きたくなかったが、途中、山越え?と思われる坂道シーンがあってヒヤッとする。しかし、景色から考えると 200mもあがらなかったようで、一安心。

現地でボートに乗って現場へ行(2時間歩けば徒歩でも可能だそうだが誰も歩いている人はいないようだった)。1台 700ペソ。シェアしないと厳しいのでランチを食べたりしな
がら人を待つ。

しかし、日帰り旅行にしては到着時間が遅めだったのであまり人が来ない。
韓国人の3人組がいたのであるが、シェアしたくないと言われた。こういうシチュエーションは今まで一度もなかったのでちょっとショック。斡旋してくれたフィリピン人は韓国人と日本人だからね・・・と微妙な発言を。
結局、ドバイに住んでいるというフィリピン人とシェアをして行く。

目的の海岸までボートで行く。
途中エンジンが止まってしまった。同乗者は「このエンジンは日本製じゃなくて中国製だね」と冗談を飛ばしていた。

目的地に着くと上陸してジャングルをくぐると地底川の入り口がまっているのでまた違う手漕ぎボートに乗り換えて進む。入り口付近にはオオトカゲがいたりする。
入り口付近は雰囲気たっぷりで、冒険心が沸いてくる。
中には期待通りのこうもりの群れや、鍾乳洞、大きなドーム型空洞など色々とある。それぞれの造詣が何に似ているといわれているか一生懸命ガイドが解説してくれる。風穴からの風を感じられる場所など、飽きない。
照明はないので、ボートからのライトの照らされていない後ろをみると本当に真っ暗。先月に食傷した中国の観光地と違ってこの自然さはとても素敵で、予想以上に満喫できた地底川のツアーだった。

帰りには豪雨に見舞われ、雨宿りで時間を使ったのもあり、戻ると15時。
帰りのローカルバスは終了して、バンをチャーターするしかなくなっていた。チャーターは
1台 1000 ペソと聞いていたのが500ペソだったのでまあよしとする。ガソリンはリッター 40 ペソとそこそこするにしてはとても安い。

バスのように頻繁に止まらないので、2時間で到着。お金に関しては自分はスポンサーで、現地の人が道中やらで何人か便乗ただ乗りしていたようだったがまあよしとしよう。
前回マニラでの印象と同様、こちらの人々も皆親切だったし、でこぼこ道を走りまくった以外は快適なツアーであった。

夜と翌日朝の街歩きで、プエルトプリンセサの田舎っぷり、緑の多さや治安の良さを体感した。メインロードでも3階建て以上の建物はみない。パラワン島はフィリピンでも開発がもっとも進んでいない島のひとつ。貧富の差もないように見え、「お金はないけれど幸せです」的な空気が島を包んでいた。 ごはんもおいしく、完熟マンゴーは感動もの。素敵な島であった。

余談。フィリピンの人は英語がしゃべれる人が多い。そして、私が英語をしゃべるとたいした英語でないのに、相当の確率で「日本人なのに英語をしゃべるのか!」と言われた。あげく「日本人はなぜ英語がしゃべれないのだ」とか問われたりもした。

日本語の文法や発音の特殊性や外来語の存在も影響しているだろうし、実践力低い教育のあり方や、語学力なくても海外に行く人が多い環境が作られているというのもあるだろう。しかし、一言で答えるのは難しい。そして、それは逆に「なぜあなたたちはみなしゃべれるのだ」という問いにて答えが得られるものでもあるだろう。答えを体感で知ってみたいものだ。

帰りの空港ではアナウンスもなく飛行機が遅れまくっていたが、マニラでの乗り継ぎは問題なくでき、無事帰国。以外にも乗客に香港人は少なかった。近いのに香港の人はあまりフィリピンには旅行に行かないらしい。

ダイビング用のボートが屋根なしだったのと、ダイビング後に船の屋外ジャグジーにつかっていたりしたので結構日に焼けてしまった。お肌の曲がり角、気をつけなければ・・・

<後日談: 減圧症疑惑で香港で治療>
http://toshirai.blogspot.com/2008/04/blog-post_08.html
http://toshirai.blogspot.com/2008/04/blog-post_09.html

トゥバタハリーフ ダイブクルーズ フィリピン パラワン

写真集

トゥバタハリーフ行ってきました。

フィリピン最後の秘境と呼ばれるスル海のトゥバタハリーフ。
夜に船が出発して船で一晩航海してようやく到着。
リーフの周りは360度海。

今回ここに来た理由の一つは、香港に現在いるから。
香港発だと日本発と違ってマニラでの一泊が不要で同日着ができるのだ。
玄関になるのはフィリピン第2の都市(プエルトプリンセサ)だったので当然直行便があると思っていたのだが、どうもこの都市は国際空港を持っていないようで乗り継ぎ画必要だった。

同じく香港発のツアーで来た人たちは、マニラで一泊していた。フィリピン航空の信用度合いから行くと、乗り継ぎ時間が3時間というのは不十分だからそれで適切というのが彼らの解釈だったが、同一航空会社にすることで値段を下げるためかもしれない(同日乗り継ぎはフィリピン航空→エア・フィリピンの乗り継ぎだった)。
私は時間は十分と判断して個人手配したのだが、遅れやプロセスの遅さで、思ったほど余裕の乗り継ぎではなかったのは確かだった。

ちなみにツアー料金は 12500 HKD(当時16万円ちょい) ほどで、私が個人で予約したクルーズ only とほぼ同料金。飛行機代とマニラ泊がついているので、ツアーの方が断然お徳であった。

私は、同日乗り継ぎで夕方着になるデメリットをしかし知らなかった。
他の乗客は全員午前に到着し、昼ごはん〜説明〜チェックダイブ〜皆でお買い物 という一連の行動をしていた。
私はそれらをふっとばして夜からの合流になるので、かなり乗り遅れ感が発生するし、チェックダイビングを通しての機材チェックなどせずにいきなり陸から遠く離れたところで第一ダイビングを行うのもよろしくない。私も一泊してくればよかった。そして、それだったら日本発でもほとんど同じだった。

今回は(も)一人での参加だったので、日本人か英語がしゃべれる人で特に個人で来ている誰かと仲良くしようと思っていたのだが、自分が到着した地点では中国語をしゃべる団体客で占拠されていた。
もし乗客が彼らだけだったらこの一週間弱、どうして生きていきましょうかと暗い気持ちになっていたところ、他の人たちも買い物から帰ってきてほっとした。

アジアでダイビングすればたいてい日本人が一人はいるのだが、今回は19人のゲストがいて私一人という状況だった。個人で来ていたのも一人。内訳は
イギリス*2 香港*3 フィリピン*4 台湾*10

特に香港から来ていた3人組(姉妹と姉の夫という構成)、仲良くしてくれて大変助かった。全員カナダに長く住んでいて広東語と英語とどちらもストレスなくしゃべることができたというのと、そのうちの2人が妻と同じ会社で働いているということで親近感も沸いたのも幸運だった。

台湾グループ以外の人たちはみな英語を仕事で使っているような人ばかりで(ダイビングに来れるようなお金を稼ぐ人は金持ち国を相手にしているとか、高い教育を受けているとかいうことか)、とても英語が堪能。そんな中での雑談は厳しいけれど、英会話の練習にもなってよかったかも。

日本人のガイドもいたが、このクルーズには今シーズンからの合流ということもあって、各種の説明はイギリス人のガイドが英語でしてくれた。結局日本人のガイドは初日は同じボートで潜ったが、その後は別のボートのガイドにまわり、船でもあまりしゃべる機会がなかった。

クルーズは一日5ダイブ*4日のハードスケジュール。
パスはもちろんありだけれど、自分のチームはみなほとんどフル参加。
モルディブのクルーズではナイトダイブは流れがあったりゲストが飲んでるほうが楽しい派ばかりで流れ続けて1回もやらなかったのに、こちらは結構まじだった。
私も当然フル参加。

さて、本題のダイビングであるが、結論的には少々期待外れということで参加者の意見は一致していたように見えた。
透明度はよかったし珊瑚も破壊された跡も見えるけれど、それでも相当に綺麗。サメ(ホワイトチップ限定)、カメ、マグロ、ナポレオンの類はたくさんいたし、平均的なダイビングサイトより上であることは間違いない。
しかし、期間限定でクルーズでしか潜れない隔絶された世界遺産の海 という肩書きからはもっと多くを望んでしまう。魚影もシパダンやパラオの方が上であった。今回がはずれたのかもしれないが、今期はジンベイザメも一度も出ていないというし、何かが変わってしまったのかもしれない。
リピーターも多かったが、口をそろえて数年前に比べて落ちたと行っていた。魚の種類も数も大きさも落ち、珊瑚も少なくなったと。珊瑚は海水の温暖化により死滅しているようである。


大物と言えば私たちのチーム(全3チーム)は、スノーケルで子供のマンタを1回見たくらいか。透明度のよい場所でマンタを見ることはあまりできないので、よい体験であった。
他のチームはダイビング中にも何度かマンタに遭遇していた。私のみ、船の周りを泳いでいたときにも遭遇した。

マクロは少なめ。そしてあまりチームで興味を持っている人もいなかったので探す機会もなかった。

イルカの大きな群れを母船からと、ダイビングに向かうボートで見たが潜ったら遠くに行ってしまって会えず残念。



流れは結構速くなる。母船の周囲など、スノーケリングをするのが危険なくらい流れていることが多かった。
ナイトダイブで流れまくってドリフトダイブをせざるをえない状況になって、ダイビングを中止したこともあった。
ただ、基本的にダイビングは流れの強いところは外して潜るようにしているようで、ダイビング中はたまにしか強い流れには遭遇せず。流れに逆らって泳ぐシチュエーションもなく、水面集合後の沈降も毎回問題なくできたし、モルディブ(私が行ったのはまだましな雨季)に比べれば随分楽だった。
(香港人の友人はモルディブで流されて8時間漂流するはめになったとかいう話を聞いた)
ただ、流れのあるところの方が魚が多く、回遊魚を見るチャンスが増えるし、流れに乗れば泳がなくてよくて楽なので、もうちょっと流れにチャレンジしたかった気もした。これは経験の浅いダイバーもいたのでしょうがない。

クルーズは一日5ダイブ*4日のハードスケジュール。
パスはもちろんありだけれど、自分のチームはみなほとんどフル参加。
モルディブのクルーズではナイトダイブは流れがあったりゲストが飲んでるほうが楽しい派ばかりで流れ続けて1回もやらなかったのに、こちらは結構まじだった。
私も当然フル参加した。昼寝など取りながらやれば意外とできるものだ。

<続く>